遺映記録者

遺映記録者(Last Portrait)”唯賀 弦
[更新]09/03/05
[スタイル]カブト、フェイト●、トーキー◎
[所属]フリーランス
[年齢/性別]26/男
 「死者は何も語る事ができません。事実をどう受け取るかは、生きている貴方次第です。」
 「推測せず、脚色せず、事実だけを伝える。それが取材対象への僕なりの礼儀です。」
[推奨枠]トーキー、フェイト
[消費経験点]0
[設定]
 「ラスト・ポートレート」というドキュメンタリーがある。
 深夜、むしろ夜明け前と言った方が良いくらいの時間に不定期で放送されるノンスポンサー番組だ。
 1人の人物にスポットを当て、その人物の生い立ちから晩年までを紹介するという内容である。
 殆どの場合、紹介されるのはごく普通の一般市民であり、エンターテイメント性に溢れる番組とは言い難い。
 だが、だからこそ伝えるべきだと製作者である唯賀は考えている。
 
 かつて大手のマスコミ企業に所属していた彼は、ある事件の容疑者を追っていた。
 多くのトーキーが義憤と視聴率の為に容疑者を追い詰め、そして青年Aは自殺した。
 男の経歴、家族、交友関係、全てが悪意ある演出をもって報道され、
 その2日後に真犯人が捕まった。
 世界中の視聴者が青年Aを生来の悪人だと誤解するのに、充分な2日だった。
 各局は責任の追及を恐れて事件から手を引いたが、唯賀は自らが報道加害者となった事実を忘れる事ができなかった。
 
 死人に口無し、ゆえに何も語らず、訴えず、ただその生き様を伝える。
 唯賀は今日も故人の生きた証を記録する。