トーキョーN◎VA

zwei-auma2005-03-13

奇特な人も居るもので、ヴァンガード*1シナリオなんてものを考えていらっしゃる方がいるようです。(笑)*2
 懐かしくなってストレイライトを読み直してみたのですが…いや、これは謎すぎでしょう、いくらなんでも。
 せっかくなので投稿時の内容(に掲載物を見ながら修正を加えたもの)をここに載せてみようと思います。裏側が出てないとヴァンガードキャスト*3も作りにくいでしょうし。
 
*なお、以下の文章はzweiが独自に作成・公開したものであり、言ってみればハウスルールのような物です。ヴァンガードに関する「公式の」設定はストレイライトに記述された物が全てです。*4
 
 
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[ヴァンガード設定]
(06/01/18推敲中)


■一般的な情報
 謎の秘密結社である。ストレイライトP.21の情報でほぼ間違いない。


■実際のヴァンガード
 世界の破滅を回避する為に活動する、天才秘密結社。こう書くとまるで冗談のようだが、これがヴァンガードの最もわかり易い解説である。


■成立の歴史
 
●Ville neuve lutetia Academy's New-found Nexus
 この結社の発祥はおよそ20数年前に遡る。当時のヴィル・ヌーブ・ルテチア大学に所属する複数の研究室が合同で立ち上げた、学業・研究を相互援助するための一大ウェブコンプレックス“V.A.N.N.”、これがヴァンガードの原型である。
 なお、V.A.N.N.自体はごく一般的な公式の学術機関として現在も活動を行なっている。特徴は「全ての学問は互いに共通項を持つ」という趣旨による分野を問わない非階層型の情報データベースで、学内外を問わず多くの研究者にその情報を開示している事が挙げられる。
 このデータベースには無秩序だが各分野における世界中の研究データが蓄積されており、学術研究者や企業関係者の間では「新規特許を出す際にはまずV.A.N.N.で類似例を探す」というのが常識な程である。
 
●来訪者
 ある時、偶然1つのプログラムがV.A.N.N.内へと流れ込んだ。
 壊れかけた1体のAI、それこそが研究ネットワークが今のような秘密結社へと変貌を遂げたきっかけであり、現在のヴァンガードの代表“ロウ”である。
 興味を持った学生研究者達の協力によって全損を免れたロウは、V.A.N.N.の膨大なライブラリによって失われた自身の記憶を補い、順調に回復していった。
 礼代わりに研究活動に協力するようになったロウは、AI故の数々の能力も有って、次第にV.A.N.N.にとって無くてはならない存在となっていった。
 
フォーサイト・テスト
 当時V.A.N.N.では大規模な未来予測プロジェクトが計画されていた。
 “フォーサイト・テスト”と名付けられたこの計画はV.A.N.N.に蓄積された膨大な量の無作為な情報を解析することにより、今後の世界情勢や事件をシミュレーションする実験(実質は、未来予測というカオス系に対してV.A.N.N.のデータベースがどれだけ正確な初期値を取りうるか、という情報量誇示の為のデモンストレーション的な意味合いも強かった)であった。
 実現不可能と言われていたこのプロジェクトは超演算能力を持つロウの出現で具体的な物となり、しかしながら世間に公表される事無く凍結される事となった。何故ならば最終的に導き出された実験回答が「世界の破滅」だったからである。
 何度もプログラムやデータ領域を修正しての再計算が行なわれたが結果は変わらず(この時点で既にカオス系を逸脱している事が関係者たちを更に困惑させた)むしろ破滅以外の事象に関して非常に高い精度を出しては、その計算の信憑性を高めるだけであった。
 
ヴァンガード結成
 計画は凍結し、その内容も極秘とされた。
 真偽はともあれ、このような実験結果を公表すれば社会に混乱が発生するのは明らかだったからだ。
 多くの研究者達は実験を失敗とみなし去っていった。
 結果が正確だと主張した人々の殆ども、具体的な対応策が出せずにやがて居なくなった。
 最後に残った者…自分達の研究結果を信じ、それと戦うことを決意した者だけが、ロウを中心として集まり秘密裏に活動を開始した。
 表のV.A.N.N.で得た知識・技術の全てを世界の守護の為に用いる集団、秘密結社V.A.N.N.-GUARDはこうして誕生したのである。


■現在の体制
 現在ヴァンガードは世界規模の組織となっているが、その存在が表に出ることは少ない。
 理由としては、彼らの多くが表の職業(ヴァンガード構成員の殆どは何らかの分野の精鋭であり、該当分野において名声と収入が存在する)を持っている事と、純粋に破滅回避(或いはその為の情報収集)の活動しか行わないため利益目的で他の組織と衝突する事が殆ど無いからである。
 
●階級
 ヴァンガードでは構成員を、その能力や役割から主に3つのグレードに分けている。
  1.学士:外部協力者(あるいは新規メンバーが最初だけこのグレードに居る事もある)。主な任務は連絡や情報提供のみだが、少数精鋭かつ秘密主義ゆえに手数の乏しいヴァンガードとしては重要な戦力である。
  2.修士:中核メンバー。組織管理に深く関わったり、作戦行動に参加するグレード。フォーサイトテストの初期メンバーや教授(後述)が多く属する。
  3.博士:重要人物。特に代替不可能な技術・能力を所持している事を示すグレード。初期メンバーよりもむしろ、ヴァンガード結成後にその能力故に招聘された人物が多い。
 (※実際にはこの称号の上に専門項目を付けて呼ばれる。)
 なお、以上の称号はあくまでも職制上の区分けであり、上下関係と直接結びついている訳では無い。そもそもヴァンガードには絶対的な命令系統という物が存在しないのである。これは母体となったV.A.N.N.が相互扶助機関である事からの流れだ。
 唯一、命令系統と言えるのは「教授」という称号の存在である。これはヴァンガードの運営・行動を決定する管理職称号であり、教授は他の非教授の構成員に対して強い協力要請の権利を有している。
 教授の称号は学士や博士とは別枠である。つまり「修士号の教授が指揮を執る作戦に博士が参加する」といった事態も起こりえる。(むしろ現場能力の高い博士号よりも、修士号のメンバーの方が教授には多い)
 余談だが、これらの称号は元々が関係者同士で連絡を取る際の符丁あるいはコードネームであり、当該人物の実際の学歴とは一致していない。研究者の場合はそれでも専門項目だけは実際と合わせている事が多いが、非学問系のメンバーに至ってはそれすらも適当な事も多い。
 例:“認知心理学士”“国際経営学修士号教授”“戦国時代博士”etc.
 
●エレメンツ
 ヴァンガードの中でも特に実働部隊の中核になる者はエレメントと呼ばれる。
 ほぼ例外なく博士号に匹敵する能力…それも単体戦闘能力を持つ彼らは、破滅との戦いにおいてヴァンガードを支えるまさに未来への(element)である。
 活躍中のエレメントとしては、ヴィルヌーブ政財界に強い発言力を持つ“ルテチア(Lutetium)の深き王”や、真教浄化派に潜入中の“赤き剣(Rubidium)”等がいる。
 
●活動
 多くのメンバーは普段は個々の生活を送っている。フォーサイトテストの異変に関してプログラムと一体化しているロウから連絡が入る度に、最も事件に近い位置にいるメンバーが選出され事態の解決を請け負うのだ。
 事件予測はフォーサイトテストが複雑な計算の上に導き出したものであり、ロウ自身ですらそれがどういった形で破滅に関わっているか具体的には把握しきれていない。それこそ近所の猫探しから真教浄化派による爆破テロまで千差万別である。
 こういった活動に協力する見返りとして、メンバーは自分の必要とする研究情報に関してV.A.N.N.の自由閲覧権が与えられ、また超一流の研究者揃いである他のメンバーに助力を求めることが出来る。
 
●コンタクト
 ヴァンガードは基本的に組織の存在を公表せず、追加人員の募集をする事もない。この組織に加入する唯一の方法は「独力でロウとコンタクトをとること」である。それこそが破滅を回避する資質を持つ“天才”の証だとされている。
 この条件さえ充たせば天才である分野が何であろうと(芸術や兵法など学問ではない分野でも)ヴァンガードは歓迎する。逆に何らかの理由でロウとのコンタクトを得た場合、例え本人が望んでいなかったとしても、ヴァンガードはその人物を組織に迎え入れようと試みる。
 噂では世界中のヴァンガード所有建築物の中にロウの居場所のヒント(ちなみにこれらはロウ・ピースと呼ばれている)が存在すると言われているが、実はこれには二つの誤りがある。
 一つはピースがあるのはヴァンガードの所有地だけではないという事。ロウは世界中の様々な箇所に自らのヒントを隠している。むしろ現在ヴァンガード所有となっているピースは、既に誰かが発見してロウとのコンタクトに使用した形跡なのだ。
 二つ目に、ピースが指し示すのは物理的な場所ではないという事。ロウは肉体を持たないゴーストであり、ウェブ上以外で接触する事は不可能である。


■真実(ヴァンガード関係者でも知らない情報)
 以下の情報はGXD掲載の“災厄”の真実を前提としたものであり、世界設定に関する幾つかのネタバレを含んでいるので注意すること。
 
●ロウの正体
 ヴァンガード設立者“ロウ”(?歳/?/カリスマ、フェイト●、ニューロ◎)、察しのよい方ならお気づきだろうと思うが彼は“災厄”の関係者である26体の超AIの1体“ρ”である。
 情報の解析・分析能力をメインに開発された彼は、しかしながら戦闘能力に劣ったため、災厄の戦いの中で破壊され無数のデータ片として世界中のウェブを彷徨う事となった。
 ヴァンガード設立者であるロウも無数にあるρの欠片のたった一部(もっとも自律行動ができる事からロウがρの構成要素の中でもかなり中枢であった可能性は高い)に過ぎず、災厄の真実や自分が超AIであるといった重要な記憶を全てロストしてしまっている。
 
●Rho−Piece
 ヴァンガード参加資格とされているロウ・ピースだが、これはロウ本人の意志によって生まれたものではない。
 実はロウ・ピースとはウェブ上に残る(あるいはそれが何らかの物理的存在にダウンロードされた)ロウ以外のρの残骸データの事である(まさに「ρの欠片」という訳だ)。
 ピース自体は明確な意志を持っている訳ではないが、僅かに残っているロウとのリンクからフォーサイト・テストの情報を取得し、未来予測の際に重要なファクターであると判断された者のもとへと移動する習性を持っている。未来に対して与える影響が大きいという事は、即ち何らかの大業を為す資質を備えている事であり、それが「天才の資質」と呼ばれる物の正体である。
 ロウとロウ・ピースは無自覚ながら互いに呼び合っており、それゆえピースを持つ者は彼と接触する事になるのである。
 また、回収されたデータはロウの中に眠る過去のデータを補完するので、全てのデータが揃えばかつての完全なρが復活する事も理論的には不可能ではない。
 
●世界の破滅
 現在のロウの目的はただ一つ、プログラム・カオスによる脅威から人々を助ける事である。
 「世界の破滅」とは即ち上記の事であり、カオスやオメガ・プロジェクトといった多くのデータを失ってすらなお、微かに覚えている自分の使命に従ってロウが作り上げたのが現在のヴァンガードなのである。
 固有名詞としては識別できなくてもカオスや真教浄化派の情報はロウとヴァンガードのデータベースの中に無数に蓄えられており、それを解析・予測する事によって彼は他のメンバーに対して世界の破滅に関する連絡を行なうのだ。
 もっとも、最近はカオス関連以外の事件に対してもロウが反応するケースが多くなっている(ヴァンガード自体の趣旨としては間違った事ではない)。これは、所持データの増大に伴って(「プログラム・カオス」等の直接的な検索ワードが存在しないことによる)処理能力の低下が起きている為と思われるが、あるいは近年カオス関連以外でも世界の危機が増えて来ている、という事なのかもしれない。
 
●この情報に関して
 以上の情報はロウ本人ですら知らない(覚えていない)事柄である。とはいえ、他の完全な超AI(アルファ=オメガやメタトロン)やそれ以外にも一部の人々はロウとヴァンガードの正体を知っているかもしれないし、或いは逆にρは既に破壊されたものだと信じているかもしれない。
 また管理者であるロウが覚えていなくとも、各分野の天才達が揃うヴァンガードの中にはオメガ・プロジェクトの事を知っている者や、それどころか関係者だった者もいる可能性がある。もっとも災厄の真実にも関わるこれらの情報を公表する危険性に関しては彼ら自身が良く理解している事であり、少なくとも、現状のヴァンガードの体制を揺るがしてまでそれを行なおうとする者は居ないようだ。
 
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 思ったより長かったですね。まあその大半は、あまりにもトンチキな設定を如何にN◎VAらしく見せるか、という言い訳に費やされている訳ですが。(笑)
 ちなみに、このコネクションの最初の作成目的は「専門分野ごとに立ち位置が異なりすぎるタタラの為に、どんな分野でも関係なく入れる共通の枠を作ろう」というものでした*5
 ウルトラマンガイアに出てくる天才学生集団アルケミースターズなんかが、まんま元ネタです。(笑)

*1:TRPG:トーキョーN◎VAの話 ストレイライトで追加されたコネクション。投稿者は恥ずかしながら僕です(笑)

*2:http://d.hatena.ne.jp/zinnia/20050308

*3:需要はさておき

*4:といいつつ自分で遊ぶ際には他PL・RLに押し付ける気満々だったりしますが(爆)

*5:結局STLでは特許企業とかも登場して、同じ事を「もっとマトモな設定で」やれるようになった訳ですが